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大阪大学短歌会OG・OBのみなさまへ

『阪大短歌10号』特別企画 寄稿のお誘い

大阪大学短歌会は去年で10周年を迎え、今年刊行予定の機関誌『阪大短歌』は10号を数えることとなりました。先輩方が大切に受け継いでこられた阪大短歌がこのような節目を迎えましたことをたいへんうれしく思います。この節目を記念いたしまして、『阪大短歌10号』では、すでに阪大短歌を去られた先輩方の寄稿する欄を設けることに致しました。

誌面の上ではありますが、先輩方と現役会員が一堂に会し、いっしょにお祝いできたらという思いでの企画となります。お忙しいことかと存じますが、一度寄稿をご検討いただけますと幸いです。また、寄稿にあたっては出版に必要な費用をいただくこととなります。たいへん心苦しいのですが、こちらもご理解いただけますと幸いです。

詳細は以下の通りとなります。ご寄稿くださるOG・OBの方はツイッターDMまたはメールをお送りください。特設のLINEグループにご招待いたします。


【募集するもの】短歌連作8首~15首とショートエッセイ(数行ほど)と自己紹介文
【原稿の〆切】2021年9月12日(機関誌は9月26日の大阪文フリにて頒布予定)
【費用】3000円(完成した機関誌3冊をお送りします)

その他ご質問等ございましたら、なんでもお尋ねください。

大阪大学短歌会 『阪大短歌10号』編集担当 神威

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2020年11月19日Zoom歌会記録 テーマ詠「お菓子」

みなさまお久しぶりです。最近、元気な神威です。歌会の記録をしばらく怠っていましたが、今日は頑張って書きます。
今回のテーマ詠は「お菓子」ということで、これは私が食べ物を歌に詠むのが好きだからなのですが、あまりテーマ詠の方での出詠はありませんでした・・・
では、歌会ででた歌と評をまとめていきます。

【テーマ詠】 「お菓子」

メルティキスって名前のお菓子 天国はすこしだけ楽しいところだよ/神威

「メルティキス」と「天国」のどちらもとろけた感じがします。じゃあそのままの感じでいくのかなと思ったら、さいごに「すこしだけ楽しいところだよ」というシニカルな認識を示している歌です。「メルティキス」や「天国」に何かしらの隠語のような怪しさがあり、「だよ」という語りかけもよからぬことを誘っている響きがあります。個人的には「メルティキス」(ただしくはメルティーキッス?)ってお菓子の名前としてすごいなと思います。

テーマ詠はほかに咲山さんが出してくれましたが、今回は非公開です。

【自由詠】

修験道滝行終えてゆらゆらとディスコでまわるデニムスカート/たなかのたんか

10月から当会に参加してくださっているたなかさんの歌でした。修験道とディスコの意外性のある歌です。「ゆらゆら」が滝行終わりの足取りとダンスの様子のどちらにもかかり、場面の転換を繋げているようにみえます。それと、漢字→ひらがな→カタカナの表記の変化が場面の切り替えに即しています。また滝行を終えた人物とディスコで踊る人物は同一人物なのか、違うのかはわかれるところでしょう。ただ一首の中の時間経過が長すぎて、説明っぽいかなと思います。

普通って呪いの言葉ふっ飛ばすパンクロックの音漏れイヤホン/日髙光将

主体は「音漏れ」をさせているのか、それとも他の人の「音漏れ」を聴いているのかとわかれますが、後者の方が自然かと思います。ただ「普通」という「呪い」を克服するには、「パンクロック」を聴く行為も「音漏れ」をさせることもあまりにもありふれているのではないでしょうか。私としてはそこに「普通」という「呪い」の逃れ難さを感じますが、考えすぎでしょう。

ゆるく弧を描いた船のハレーションこれらの島は夏の箱庭/此処あすこ

「弧を描いた」は船の一部の形状を指すのか、船の動きを指すのかが迷うところです。歌の視点は「船」を見下ろせる場所にあって、「船」の近景から、遠景へとズームアウトする感じかと思われます。また「これら」という代名詞は読み手を一瞬混乱させてしまう恐れがありますが、遠さの演出として成功しているのかなとは思います。

以上が歌になります。それではまた次の歌会で。

【お知らせ】
阪大短歌は新会員をいつでも募集しております!ご興味のある学生の方は、阪大短歌のメールかツイッターのDMへご連絡ください。

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2020年5月24日歌会記録 テーマ詠「一月」

こんにちは神威です。今日の歌会では現代短歌カレンダーの掲載枠争奪戦を行いました。現代短歌カレンダーとは東京四季出版さんが出版されているカレンダーで、毎年多くの歌人の方が歌を寄稿されています。
阪大短歌も寄稿のお誘いをいただき今回の歌会に至ったわけです。歌会では第一候補と第二候補を投票で選出しました。ではさっそくみて参りましょう。


霜柱立つなずなが足りぬと探す母 滋味にもまさる愛情のかゆ/日髙光将

一月の歌ということで七草粥の歌でした。今回の詠草の中でいちばん「一月」っぽい歌かもしれません。「母」と「愛情」というのはステレオタイプ的という意見が多かったです。また句切れが多いので韻律に難があるという意見もありました。あと、七草粥を食べる食べないと話もしました。私は食べたことがありません。おいしいのでしょうか。

万両の種子を持って帰りつつ無人駅ひとつ寝過ごしたこと/此処あすこ

万両(まんりょう)とは植物で赤い実をなす植物だそうです。俳句の季語にもなっているそうです。あったことをそのまま歌にしているので、光景が浮かびやすいという意見がありました。一方で下の句はありがちという意見もありました。私は「無人駅」ってすごいエモいと思うのですが、身近に無人駅があった人にはそうでもないそうです。

待っててもきみはぜんぜんこーへんしバス停になりそうな冬やなあ/神威

なんだかよくわからないが可愛いという意見が多かったです。ただ「バス停」を人に見立てるのはふつうではないかという意見もありました。「バス停」になりそうなのは「私」ではなく「冬」だったら面白かったかもとも。ちなみにこの歌は第二候補に選出されました。

雪になる大雪になるいつもよりピーナッツバターするする伸びる/竹村美乃里

リフレインが面白い歌です。大雪警報で学校が休みになるのをうれしく思う子どもの歌かもという読みもありました。しかし、一首としてのインパクトが弱いという意見も。私は雪が地面に降って広がるイメージとトーストにピーナッツバターを塗るイメージがつながったのですが、豪雪地帯に住む人からすればそうでもないそうです。

昨晩の雪のゆくえをいうときのあなたの口の大袈裟なひらき/右谷潮

「の」のリズムが楽しい歌です。「雪のゆくえ」も韻を踏んでいますね。昨日の雪のことを大げさにいう「あなた」をほほえましく思う歌だととりました。ただ「大袈裟」がこの歌にはマッチしてないという意見もありました。私は雪ではなく「口の開き」に歌の力点を置いたところが素敵だと思います。

きみというきみのからだを持つ人の握りかえす手が冬のいでたち/佐原キオ

「冬のいでたち」が手の感じをさすのか、手袋のことをいっているのか、それとも握り返す行為そのものをさすのか読みの幅が広かったです。また「からだ」そのものに固着している点が、ある意味で官能的です。きみという身体はきみでしかない、握り返す行為も握り返す行為でしかないという虚無感があるともいう意見がありました。一方で「きみというきみのからだ」はくどくてしっくりとこない人もいました。ちなみに決選投票をした際、満場一致で第一候補はこの歌に決まりました。

以上となります。新学期にも慣れてきましたが、その分いそがしいですね。五月病にはみなさんお気をつけて。それと阪大短歌はまだまだ新会員を募集してます!!!DMやメールお待ちしてます
それではまたお会いしましょう。

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2020年4月24日新歓歌会記録『目』

こんばんは。そろそろ大学を卒業したい小川です。
本日は2回目の新歓歌会を開催しました。阪大短歌でのオンライン歌会は4回目になり、そろそろ少し慣れてきたかな、どうかなといったところです。気になる方、ぜひぜひいらしてください~!


【題詠】《目》
見つめると不思議そうに返される 古代エジプト壁画みたいな目/月見柚子
エジプト壁画のような目をしている人、きっと魅力的でしょう。
二句目の字足らずがその人のユニークな魅力を引き立てている気がします。


凍るのはわたしの役目 一族がとおくに燃えているのを見るわ/小川優
燃えているって火葬?あるいは相続問題などの諍いの比喩?〈一族〉との対比で〈わたし〉の冷めている感じが印象的。


創生の意志はかほれり目薬がひろごるほしの涼しき自転/神威
〈目薬〉という水と〈創生〉〈ほし〉〈自転〉から水の惑星地球のイメージが喚起される。また目薬の染み渡る眼球も比喩されているのでしょうか?
大きなものと小さなものが二重になってあらわれる歌のなかに静かに息づく〈意志〉が美しくてはっとしました。


【自由詠】


霧吹きでつくったような雨だって思ったあとに霧だと思う/小川優
霧ってどういう条件で出るのでしょう。煙にまかれたような読み味の歌。『っ』の多さや『思う』の繰り返しが生む効果の話も出ました。


失恋の知らないような風が吹くカーブミラーに自転車のあお/神威 
「この風はどんな風でもいい。けど風に対して『お前は何も知らなくていいな』という八つ当たりのような主体の思いがある」という読みがとても良かったです。爽やかな一首。


前回から参加してくださっている月見さんは新入会員の方です!✨新しい方と歌会できるの、格別の喜びだって何年経っても思います。まだまだお待ちしております!お気軽にお声掛けください。

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2020年4月24日新歓歌会記録『目』



こんばんは。そろそろ大学を卒業したい小川です。

本日は2回目の新歓歌会を開催しました。
阪大短歌でのオンライン歌会は4回目になり、そろそろ少し慣れてきたかな、どうかなといったところです。気になる方、ぜひぜひいらしてください~!


【題詠】《目》
見つめると不思議そうに返される 古代エジプト壁画みたいな目/月見柚子
エジプト壁画のような目をしている人、きっと魅力的でしょう。

二句目の字足らずがその人のユニークな魅力を引き立てている気がします。


凍るのはわたしの役目 一族がとおくに燃えているのを見るわ/小川優
燃えているって火葬?あるいは相続問題などの諍いの比喩?〈一族〉との対比で〈わたし〉の冷めている感じが印象的。



創生の意志はかほれり目薬がひろごるほしの涼しき自転/神威
〈目薬〉という水と〈創生〉〈ほし〉〈自転〉から水の惑星地球のイメージが喚起される。また目薬の染み渡る眼球も比喩されているのでしょうか?

大きなものと小さなものが二重になってあらわれる歌のなかに静かに息づく〈意志〉が美しくてはっとしました。




【自由詠】
霧吹きでつくったような雨だって思ったあとに霧だと思う/小川優
霧ってどういう条件で出るのでしょう。煙にまかれたような読み味の歌。『っ』の多さや『思う』の繰り返しが生む効果の話も出ました。



失恋の知らないような風が吹くカーブミラーに自転車のあお/神威
 「この風はどんな風でもいい。けど風に対して『お前は何も知らなくていいな』という八つ当たりのような主体の思いがある」という読みがとても良かったです。爽やかな一首。



前回から参加してくださっている月見さんは新入会員の方です!✨
新しい方と歌会できるの、格別の喜びだって何年経っても思います。まだまだお待ちしております!お気軽にお声掛けください。

プロフィール

阪大短歌会

Author:阪大短歌会
大阪大学の短歌サークルです。
メール:handai.tanka@gmail.com
twitterアカウント:handai_tanka

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