FC2ブログ

05

24

コメント

2020年5月24日歌会記録 テーマ詠「一月」

こんにちは神威です。今日の歌会では現代短歌カレンダーの掲載枠争奪戦を行いました。現代短歌カレンダーとは東京四季出版さんが出版されているカレンダーで、毎年多くの歌人の方が歌を寄稿されています。
阪大短歌も寄稿のお誘いをいただき今回の歌会に至ったわけです。歌会では第一候補と第二候補を投票で選出しました。ではさっそくみて参りましょう。


霜柱立つなずなが足りぬと探す母 滋味にもまさる愛情のかゆ/日髙光将

一月の歌ということで七草粥の歌でした。今回の詠草の中でいちばん「一月」っぽい歌かもしれません。「母」と「愛情」というのはステレオタイプ的という意見が多かったです。また句切れが多いので韻律に難があるという意見もありました。あと、七草粥を食べる食べないと話もしました。私は食べたことがありません。おいしいのでしょうか。

万両の種子を持って帰りつつ無人駅ひとつ寝過ごしたこと/此処あすこ

万両(まんりょう)とは植物で赤い実をなす植物だそうです。俳句の季語にもなっているそうです。あったことをそのまま歌にしているので、光景が浮かびやすいという意見がありました。一方で下の句はありがちという意見もありました。私は「無人駅」ってすごいエモいと思うのですが、身近に無人駅があった人にはそうでもないそうです。

待っててもきみはぜんぜんこーへんしバス停になりそうな冬やなあ/神威

なんだかよくわからないが可愛いという意見が多かったです。ただ「バス停」を人に見立てるのはふつうではないかという意見もありました。「バス停」になりそうなのは「私」ではなく「冬」だったら面白かったかもとも。ちなみにこの歌は第二候補に選出されました。

雪になる大雪になるいつもよりピーナッツバターするする伸びる/竹村美乃里

リフレインが面白い歌です。大雪警報で学校が休みになるのをうれしく思う子どもの歌かもという読みもありました。しかし、一首としてのインパクトが弱いという意見も。私は雪が地面に降って広がるイメージとトーストにピーナッツバターを塗るイメージがつながったのですが、豪雪地帯に住む人からすればそうでもないそうです。

昨晩の雪のゆくえをいうときのあなたの口の大袈裟なひらき/右谷潮

「の」のリズムが楽しい歌です。「雪のゆくえ」も韻を踏んでいますね。昨日の雪のことを大げさにいう「あなた」をほほえましく思う歌だととりました。ただ「大袈裟」がこの歌にはマッチしてないという意見もありました。私は雪ではなく「口の開き」に歌の力点を置いたところが素敵だと思います。

きみというきみのからだを持つ人の握りかえす手が冬のいでたち/佐原キオ

「冬のいでたち」が手の感じをさすのか、手袋のことをいっているのか、それとも握り返す行為そのものをさすのか読みの幅が広かったです。また「からだ」そのものに固着している点が、ある意味で官能的です。きみという身体はきみでしかない、握り返す行為も握り返す行為でしかないという虚無感があるともいう意見がありました。一方で「きみというきみのからだ」はくどくてしっくりとこない人もいました。ちなみに決選投票をした際、満場一致で第一候補はこの歌に決まりました。

以上となります。新学期にも慣れてきましたが、その分いそがしいですね。五月病にはみなさんお気をつけて。それと阪大短歌はまだまだ新会員を募集してます!!!DMやメールお待ちしてます
それではまたお会いしましょう。

04

24

コメント

2020年4月24日新歓歌会記録『目』

こんばんは。そろそろ大学を卒業したい小川です。
本日は2回目の新歓歌会を開催しました。阪大短歌でのオンライン歌会は4回目になり、そろそろ少し慣れてきたかな、どうかなといったところです。気になる方、ぜひぜひいらしてください~!


【題詠】《目》
見つめると不思議そうに返される 古代エジプト壁画みたいな目/月見柚子
エジプト壁画のような目をしている人、きっと魅力的でしょう。
二句目の字足らずがその人のユニークな魅力を引き立てている気がします。


凍るのはわたしの役目 一族がとおくに燃えているのを見るわ/小川優
燃えているって火葬?あるいは相続問題などの諍いの比喩?〈一族〉との対比で〈わたし〉の冷めている感じが印象的。


創生の意志はかほれり目薬がひろごるほしの涼しき自転/神威
〈目薬〉という水と〈創生〉〈ほし〉〈自転〉から水の惑星地球のイメージが喚起される。また目薬の染み渡る眼球も比喩されているのでしょうか?
大きなものと小さなものが二重になってあらわれる歌のなかに静かに息づく〈意志〉が美しくてはっとしました。


【自由詠】


霧吹きでつくったような雨だって思ったあとに霧だと思う/小川優
霧ってどういう条件で出るのでしょう。煙にまかれたような読み味の歌。『っ』の多さや『思う』の繰り返しが生む効果の話も出ました。


失恋の知らないような風が吹くカーブミラーに自転車のあお/神威 
「この風はどんな風でもいい。けど風に対して『お前は何も知らなくていいな』という八つ当たりのような主体の思いがある」という読みがとても良かったです。爽やかな一首。


前回から参加してくださっている月見さんは新入会員の方です!✨新しい方と歌会できるの、格別の喜びだって何年経っても思います。まだまだお待ちしております!お気軽にお声掛けください。

04

24

コメント

2020年4月24日新歓歌会記録『目』



こんばんは。そろそろ大学を卒業したい小川です。

本日は2回目の新歓歌会を開催しました。
阪大短歌でのオンライン歌会は4回目になり、そろそろ少し慣れてきたかな、どうかなといったところです。気になる方、ぜひぜひいらしてください~!


【題詠】《目》
見つめると不思議そうに返される 古代エジプト壁画みたいな目/月見柚子
エジプト壁画のような目をしている人、きっと魅力的でしょう。

二句目の字足らずがその人のユニークな魅力を引き立てている気がします。


凍るのはわたしの役目 一族がとおくに燃えているのを見るわ/小川優
燃えているって火葬?あるいは相続問題などの諍いの比喩?〈一族〉との対比で〈わたし〉の冷めている感じが印象的。



創生の意志はかほれり目薬がひろごるほしの涼しき自転/神威
〈目薬〉という水と〈創生〉〈ほし〉〈自転〉から水の惑星地球のイメージが喚起される。また目薬の染み渡る眼球も比喩されているのでしょうか?

大きなものと小さなものが二重になってあらわれる歌のなかに静かに息づく〈意志〉が美しくてはっとしました。




【自由詠】
霧吹きでつくったような雨だって思ったあとに霧だと思う/小川優
霧ってどういう条件で出るのでしょう。煙にまかれたような読み味の歌。『っ』の多さや『思う』の繰り返しが生む効果の話も出ました。



失恋の知らないような風が吹くカーブミラーに自転車のあお/神威
 「この風はどんな風でもいい。けど風に対して『お前は何も知らなくていいな』という八つ当たりのような主体の思いがある」という読みがとても良かったです。爽やかな一首。



前回から参加してくださっている月見さんは新入会員の方です!✨
新しい方と歌会できるの、格別の喜びだって何年経っても思います。まだまだお待ちしております!お気軽にお声掛けください。

04

19

コメント

2020年4月16日新歓歌会記録

はじめまして。副会長になりました、此処あすこです。
WebサーオリもかねてZoomを使って開催した今回の歌会には新入生の方も参加してくださいました!今回は題詠「服」と自由詠を募集しました。たくさん詠草を送ってくださり、ありがとうございました!つたない司会で、あたふたして申し訳なかったです。短いですが、評も書いておきます。


捨ててきたのたくさんのパジャマをわたしたちクラス替えの日の朝にうまれて/神威
字余りが多いですが、「クラス替え」という若さを感じる語があってさわやかな印象でした。初句に「の」をわざわざ入れて定型を捨てているところに意思の強さを感じるという意見がありました。

スカートの裾がかすかに弦ゆらすお筝は春の龍の鳴き声/此処あすこ
繊細なことをよんだ歌だという意見がありました。また部活のような雰囲気が感じられるとのことでした。

食費二万服飾費五万 いのちより価値のあるもの見つけちゃったな……/月見柚子
こちらは新入生の方の歌です。食費や服飾費というなじみのあるものだけに議論が盛り上がりました。SNSで見るようなつぶやきに近い温度で語られていて、生活の普遍性を感じる歌だという意見もありました。

満月の光をまとう君のシャツ 前世は使用済みペットボトル/日髙光将
前世が使用済みペットボトルであるものは何なのかと想像をめぐらしました。上の句と下の句のギャップがおもしろいという感想もありました。

閉め切った午前10時に対角の君とデジタル宇宙旅行へ/月見柚子
この歌は自由詠です。「君」はモニターの向こうにいて、閉じこもっているように思える主体とも画面越しに対角になるのではないかという解釈が出ました。外に出ることができない今の状況ですが、デジタル宇宙旅行ができたら楽しいですね。

他にも咲山かるさんと小川優さんの歌も出していただいていました。

またオンラインでの歌会も開催すると思いますので、興味のある方はぜひDM等でご連絡ください!

04

16

コメント

2020年4月8日Skype歌会記録

 お久しぶりです。神威です。新歓歌会の前に一度skypeで歌会をしたので記録します。今回は早稲田短歌会からゲストを交えて行いました。オンライン歌会の良いところですね。
さて、今回は自由詠のみの募集でした。詠草を送ってくださった方ありがとうございます!詠草に関してですが、歌会での議論がおぼろけなので私の短評がメインになります。。。

突き付けた銃口の如き広告で焦燥煽り立てる、ようつべ/咲山かる

「突き付けた」がいかなる状態なのかが議論になっていたと思います。向けられているだけなのか、銃が体に密着しているのか。そもそも「突き付けられた」ではないか、など。あと漢字が連続したあとの「ようつべ(YouTube)」がいいギャップになっているよねみたいな話もしました。私としては、「銃口」というのがよくわかるなあという感じでした。YouTubeの広告はやかましいので。

妖精は博士とねむる恋文のプレパラートを月が透かして/神威

私の歌でした。割と解釈の幅が広かったように記憶しています。「恋文のプレパラート」がなんなのか。
「プレパラート」が実験器具のなかでいちばん素敵なことばだと思ってます。

海辺には海辺のメトロノームがあり桜の散る速度を決める/守屋竜雅

早稲田短歌会の守屋さんの歌でした。「~には~の・・・」という言い回しが構文っぽいという意見がありました。一方、韻律が面白いとの声もありました。私は「メトロノーム」と「桜の散る」というとりあわせが楽譜の指示とかを想起しました。「桜の散る速度で」って楽譜の余白にあったら素敵です。


桃が傷つく あなたはあなたの五月雨を引き受けないままで生きている/佐原キオ


「五月雨」を「引き受けない」とはどういうことかというのが議論の中心だったと思います。「五月雨」はマイナスのもののような気がしますが、主体はそれを「引き受けない」「あなた」を好意的に捉えているように読めます。個人的には歌が繊細でいいなと思います。桃も香ってきそう。

一息に水無月こえてゆくように茅の輪くぐりの境内香る/此処あすこ

「茅」に「ち」とルビがふってあります。「ゆくように」がどこにかかっているととるか難しかったように思います。俳句的という意見もありました。上の句の比喩が爽快で今回の歌会でいちばん好きな歌でした。

小川さんからも詠草をいただきましたが今回は非公開です。

それでは、今日はここまでです。また次回にお会いしましょう。ちなみに会員は常時募集しているので、気になる方はメールやツイッターのDMまでおねがいします!

プロフィール

阪大短歌会

Author:阪大短歌会
大阪大学の短歌サークルです。
メール:handai.tanka@gmail.com
twitterアカウント:handai_tanka

リンクはフリーです。

検索フォーム

QRコード

QR

Designed by

Ad